昭和元禄落語心中(5) (KCx)

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レビュー : 85
著者 :
相沢泉見さん  未設定  読み終わった 

【八雲と助六篇】がこの巻で終わり、【助六再び篇】へ。
菊比古と助六は旅館で落語会を開催し、大成功に終わる。
しかしその夜、助六のもとを離れていたみよ吉が菊比古の前に現れ、師匠を亡くして「独りになった」と思っていた菊比古の心に入ろうとする。
「心中しちゃおうか」と窓に菊比古の身体をおしつけるみよ吉。そこへ、助六が現れる。
落語会を成功させ、再び落語の道に戻るかと思われた助六だが、再会したみよ吉に「おまえと小夏が大事だからもうあの道には戻らない」と告げる。
落語会で助六が演じたのは「芝浜」。助六は「芝浜を演じられたのはお前のおかげだ」と言う。
「芝浜」は貞淑で賢い妻が夫を助ける話…と言える。みよ吉は多分自分でも貞淑な妻だとは思ってないはずなので、助六のこの台詞は実に深い。
しかしみよ吉はその言葉を信じられずに後ずさる。
窓から転落しそうになったみよ吉を助けようとして、助六が手を伸ばす。二人はそのまま、菊比古の前で転落死した。
残された娘、小夏を引き取るも、小夏は菊比古のことを親の仇だと思っており、いつか殺すという。
菊比古は失意のまま東京に帰り、八雲の名を継ぐ。

【助六再び篇】スタート。
十年の時が経ち、真打昇進が決まった与太郎。
そこへ、一旦家を出ていた小夏が八雲の家に戻ってくる。「助六の血を絶やしたくない」という理由で、結婚せずに独りで「子供を産むことにした」という小夏に、与太郎は「自分がその子供の父親になりたい」と言い出す。
そして師匠の八雲に「助六」の名を継ぎたいと頭を下げる。
三代目「助六」として真打昇進を果たした与太郎。
小夏の子供も生まれ、お披露目会が華々しく行われる。
八雲と助六(与太郎)と小夏は、再びかつてのように一つ屋根の下で暮らすことになる。

落語が生まれて300年。口伝で継承される落語のこれからについて、与太郎、八雲、そしてまわりの人々の思いが交錯する。


八雲が助六の墓参りをしているシーン。
「娘をあんなふうにして」というセリフがさらりと入っているのですが、これがうまいこと伏線になってまして、最終巻で度肝を抜かれることになります。

レビュー投稿日
2018年1月9日
読了日
2017年12月17日
本棚登録日
2018年1月9日
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