最後の恋―つまり、自分史上最高の恋。 (新潮文庫)

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相沢泉見さん  未設定  読み終わった 

松尾由美さん「わたしは鏡」が良かった。

・春太の毎日/三浦しをん
犬の春太が語り手。
好きな相手を残して死んでしまうと悟っており、それでも飼い主の幸せを祈る春太の想いが切々と伝わってきて良かった。

・ヒトリシズカ/谷村志穂
山が好きで、山で命を落とした恋人のことが忘れられない女性の切ない行動が描かれている。
愛する人の死をわかっている半面、妄想の中で生きる恋人にすがらずにいられない。

・渡辺食堂の姉妹/阿川佐和子
陽気で接客を担当する姉と、暗くて調理担当の妹。
父母から引き継いで以降、姉妹二人で経営してきた海辺の食堂。
姉は妹の身を案じ、親代わりに嫁がせよう、みたいな気持ちも入ってか、妹を受け入れてくれる男性を探していた。
しかし両親の死に気を落とした妹が寝込んだ事で、妹の意外な一面が明らかになる。
実は妹は自ら男性と関り、何人も恋人のような存在がいた。奥手だったのは姉の方だった。
実はちょっぴり妹を見下していたことにも気づかされる。
立場がくるんと逆転するところが鮮やか。

・スケジュール/沢村凜
何子ごとも計画通りに進められることが唯一の取り柄である主人公・天音。
25歳までに結婚しようと思い、相手も見つけ、交際してきたが、一瞬で落ちる恋だけはそうもいかなかった。

・LAST LOVE/柴田よしき
「最後の恋をしたいから君と別れる」という言葉を残して主人公を振った男。
主人公は「最後から二番目、ブービー賞の恋だったのか」という想いに支配される。
吹っ切れないまま条件だけで見合いをし、結婚を決めるが、実はその相手こそが運命の人だったことに気づく。

・わたしは鏡/松尾由美
文芸サークルで同人誌の編集長になってしまった主人公の女子大生・比呂。
そこへ、署名のない謎の原稿が現れる。美容室のちっぽけなサブ鏡を主役にした小説が書かれていたが、比呂は恋の暗示であると予想する。
そこで、誰から誰への思いなのかを探り始める。
「女性」として最後の「女性への恋」。

・キープ/乃南アサ
十五歳の頃の失恋を引きずったまま大人になり、一度は結婚したがすぐに破たんし、仕事に生きる女性が主人公。
落ち着いたバーでキープしたボトルを楽しむのが息抜き。
出世して上司や部下との板挟みになるキャリア女性の感情が良く描かれていました。

・おかえりなさい/角田光代
主人公の男性は、貧乏していた学生時代、宗教のパンフレットを配るというバイトをしていた。
そこである老女と出逢う。老女は主人公のことを亡くなった伴侶だと思い込み、ごちそうを出してくれる。パンフレットも貰ってくれるので最初はいいカモの扱いだったが、だんだん情が移っていく。

レビュー投稿日
2016年12月15日
読了日
2016年12月12日
本棚登録日
2016年12月15日
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