葉桜の日 (新潮文庫)

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本棚登録 : 377
レビュー : 30
著者 :
相沢泉見さん  未設定  読み終わった 

鷺沢さんは大学生の時に読み漁った作家さんの一人です。育児で読書から離れているときにお亡くなりになり、びっくりした記憶が。この本も大学生の時に一度読みましたが再読。
短編が二つ入っていましたが、この本を一言で言うならば「自分のルーツをさぐる話」だと思いました。

・葉桜の日
19歳の主人公・ジョージは養母と暮らし、養母の会社の手伝いをしている。自分の本当の親が誰なのかは知らない。
様々な人と触れ合う中で、「僕は一体誰なんだろう」とジョージは思い、自分のルーツを探っていく。
養母とジョージはべったりしすぎず、一線引いた関係を保っているように思われるんだけど、その反面、しっかりつながった絆のようなものも見受けられるような……。この二人の関係性が絶妙でした。
養母が実の母だった。ジョージに日本国籍を与えたくてわざと一度捨ててから引き取った……。その想いが切なくて良かった。
「みんな、自分が誰かなんて判っちゃいねえよ」というおじいの言葉にハッとさせられました。
自分のルーツって、血のつながりとか、そういう物理的なものの上には無いんだと思う。

・果実の舟を川に流して
屈強な男性ながら女装しているバーのママと、そこで働いている健次。
バーに訪れる客の様々な面や、ママの過去を垣間見て、健次は人生について考える。
ママのキャラが強烈で良かった。多分この話は健次が主人公と見せかけてママが主人公なんだと思う。
男っぽいところもあれば女っぽいところもあるし、しっかりしているかと思えば情に流されるところもある。
ママを見て健次が思ったように、人生とは川を流れる舟のようなもので、心の思うままに、行くしかないのかも。

レビュー投稿日
2017年2月21日
読了日
2017年2月2日
本棚登録日
2017年2月21日
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