草祭 (新潮文庫)

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本棚登録 : 853
レビュー : 110
著者 :
相沢泉見さん  未設定  読み終わった 

美奥という架空の町を中心にした連作短編。ある話でちらりと登場した人物が別の話で主役になっていたりもする。
屋根猩猩は『謎の放課後 学校のミステリー/角川文庫』にて既読でしたが、別の話とつながっていて驚いた。

・けものはら
けものはらという不思議な土地に迷い込んだ二人の少年。何年か後にそこで一人が母親を殺す。
母親のいやらしい感じの描写が胸に詰まった。
全部読んだあと、水筒の中身だとか、佐藤愛の母親のことだとか、警告をした不思議なおじさんの事とかが分かった後にもう一度読んだ。

・屋根猩猩
『謎の放課後 学校のミステリー/角川文庫』にて既読。
ショウタのことが謎だったけど、この後に出てくる『天化の宿』にちらっと出てきて、美奥周辺の住民だと言うことが分かった。

・くさのゆめがたり
美奥や全編通して出てくる不思議な薬(クサナギ)について、誕生の秘密がここで書かれている。

・天化の宿
タイトルからすると、ここでクトキ(苦を解く)した人は別の生き物になって生まれ変わると言うことでしょうか。
『銀の船』という話でも出てきましたが、別の生き物になって生まれ変わるというモチーフは恒川作品に良くあるような…。
他の話に何度か出てきた太鼓腹のおじさん『親分』の正体はここの旦那さんだった。
いい人なのかそうでないのか分からないな。

・朝の朧町
最初に収められていた『けものはら』で主人公を助けたカナエ先生が主役。佐藤愛の母親でもある。
長船さんが拾った珠の正体が謎。不思議。ここの中の土地はいずれ、けものはらになると言うことなのでしょうか。

全体的に良く練られたパズルのような構成。読み返すとまた一つ仕掛けられたピースに気付き、何度も読み返したくなる本です。

レビュー投稿日
2016年3月5日
読了日
2016年3月2日
本棚登録日
2016年3月5日
2
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