高野聖

3.68
  • (7)
  • (29)
  • (17)
  • (4)
  • (0)
本棚登録 : 188
レビュー : 25
著者 :
相沢泉見さん  未設定  読み終わった 

ある男性が、列車に乗り合わせた高僧に昔の話を聞く…というていで話が始まる。

若い修行僧だった宗朝は、飛騨から信州へ山越えをしていた。
休憩したふもとの茶屋で富山の薬売りに出会うが、薬売りは一足先に山へ踏み込む。
地元の人間からその道は危ないと聞いた僧は、そのことを伝えに薬売りを追いかけるが、蛇やヒルなどがうじゃうじゃ。
何とかそこを抜けると一件の家に辿り着く。
そこには年増だが美しい女と、どこか抜けた様子の男が住んでおり、別の男に馬を売りに行くように頼んでいた。

女は宗朝を泊めてくれるという。その厚意を受けることにした宗朝。女に連れられて川へ体を流しに行く。
女はそこで素肌を晒し、宗朝を惑わせる。女の肢体にはコウモリやヒルが纏わりつくが、家に着いてからも色香に酔う宗朝。
水浴びから帰ってきた宗朝を見て、馬売りの男は「もとの体で帰ったのか」と不思議な事をいう。

その夜、宗朝は家の周りを鳥や獣が二十も三十も取り囲んでいるような異様な気配を感じ、女の怪しい声も聞く。
宗朝が一心不乱に経を唱えるとやがて気配は静まり、女も静かになった。

翌朝、宗朝は一夜の礼を言ってその家を発ったが、女の色香が忘れられず、引き返そうとする。
しかし、そこで馬売りの男と出会う。男の口から、女の正体が語られる。
女はもともと医者の娘だったが、不思議な力を持ち、あそこに住むようになった。色狂いで、水浴びしながら男を弄び、やがてその姿を獣へ変えてしまうという。
昨日連れていった馬は女の魔力によって姿を変えられた薬売りの男。女にまとわりついた動物たちも姿を変えられた男たちの成れの果てだった。
それを聞いた宗朝は、女への想いを捨て去り、山から抜け出す。

僧侶であるはずの宗朝が、女の色香にすっかりやられている。
全体的に不思議な感じなのに、私的にはどこかコミカルさが感じられた。
宗朝の煩悩(食事が粗末だったとか、女と一緒にいる男が莫迦すぎるとか)が割とあけすけに書かれているせいかも。

レビュー投稿日
2019年2月7日
読了日
2019年1月25日
本棚登録日
2019年2月7日
0
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『高野聖』のレビューをもっとみる

『高野聖』に相沢泉見さんがつけたタグ

ツイートする