つれづれ、北野坂探偵舎 心理描写が足りてない (角川文庫)

著者 :
  • KADOKAWA (2013年9月25日発売)
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感想 : 95
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読書録「つれづれ北野坂探偵舎心理描写が足
りてない」4

著者 河野裕
出版 角川文庫

p298より引用
“「物語が作り物でも、それを読む人間は現
実にいるんだ。問題は君が、何を感じて、何
を信じるかだよ。読者の感情に僅かでも影響
を与えられるなら、フィクションにはリアル
で具体的な意味がある」”

目次より抜粋引用
“本を探す幽霊の誤謬
 迷子のリドル
 心理描写が足りてない
 リリカルファイア”

 小説家と元編集者でカフェオーナーの探偵
所長を主人公とした、短編連作ミステリ小説。
 カフェでお茶を飲みながら、男性二人の会
話に耳を澄ます少女。二人は反対方向を向い
て座ったまま、しかし決して険悪な雰囲気と
いうわけでもなく話を続ける…。

 上記の引用は、フィクションの意味につい
てとある人物?に答える、主人公・佐々波の台
詞。
山本弘氏の「アイの物語」の解説だったでしょ
うか、「作者は本気で、小説の力で世界を変
えようと思っている」というようなことが書
かれていたように記憶しています。たとえフィ
クションでも、人に何かしらの影響を与える
ものなのでしょうから、その影響が悪い方向
に出ないように、書き手は作り続けてほしい
ものです。
 穏やかな雰囲気ながら少し切ない話。会話
が多い書かれ方なので、好みの分かれるとこ
ろかもしれません。
 短編連作としましたが、続編への謎が残る
終わり方をしていて、長く続く作品なのかも
しれません。

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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: か行
感想投稿日 : 2019年7月18日
読了日 : 2019年7月18日
本棚登録日 : 2019年7月18日

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