読書録「高円寺純情商店街本日開店」3
著者 ねじめ正一
出版 新潮社
p164より引用
“見当で掴んでいるくせに、秤の上の桜海老
は、どれも三グラムと違っていない正確さ
だった。”
目次から抜粋引用
“大黒メロン
八月のキャッチボール
本日開店”
昭和の頃にあったような、商店街の人達の
様子を描いた連作短編小説。
主人公・正一は嫌な夢を見て目がさめた。
夢の中で鳴っていた、海の音が、止むこと無
く聞こえていた…。
上記の引用は、主人公の祖母の特技につい
て書かれた一文。長年同じ事を続けている人
には、こういう能力を身につける人がいるの
でしょうね。昔テレビで見た、お弁当屋さん
で働く人が、正確に弁当箱にご飯を同じ量だ
けよそうのを、感心して見た覚えがあります。
スーパーの進出に伴う商店街の変化など、
随分と現実的な話が書かれています。
単行本は平成二年の出版とのこと、今も昔も
人の悩みはあまり変わらないのかもしれませ
ん。新興の住宅地に出来た商店街も、少し
経って車で行けるショッピングセンターがで
きたら、衰退するということが、今でもよく
聞く話ですし。
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読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
な行
- 感想投稿日 : 2015年2月3日
- 読了日 : 2015年2月3日
- 本棚登録日 : 2015年2月3日
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