はみだし生物学 (新潮文庫)

  • 新潮社 (1982年8月1日発売)
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読書録「はみだし生物学」3

著者 小松左京
出版 新潮社

p102より引用
“第一、一方は原子力というとりあつかいの厄介なものをつかって、熱効率三分の一くらいで軸馬力で十万馬力を出すのに、一方はオキアミを食べてこれだけの運動をするのだから、ものすごい。”

目次より抜粋引用
“生命はもはや「自然発生」しないか?
 生命の「書庫」
 バクテリオファージはヤドリバチの夢を見
るか?
 花の下の「変身願望」
 重力と進化”

 日本を代表するSF作家である著者による、
生物に関する話題を扱ったエッセイ集。
他社刊行作文庫版。
 生命発生の根源についてから生殖について
まで、SF作家ならではの科学的視点から考察
されています。

 上記の引用は、一万t級原子力潜水艦とシ
ロナガスクジラについて書かれた一文。
現在の原子力潜水艦の能力は上がっているの
でしょうが、原子力燃料の扱いが大変なのは、
今も変わりないでしょう。生物というものの
システムの完成度の高さに、科学技術がいつ
か追いつけて、より良い世の中になることを
願うばかりです。
 初版は昭和55年とかなり古い作品。書かれ
ている知識や情報にも変化があるでしょうか
ら、新しいものと比べて読むのも面白いかも
しれません。
 今ならば表現規制にあいそうな表現も見ら
れますので、新しい版では文章が変わってい
る可能性がありそうです。

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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: か行
感想投稿日 : 2020年3月9日
読了日 : 2020年3月9日
本棚登録日 : 2020年3月9日

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