読書録「絵で見る十字軍物語」4
著者 塩野七生
絵 ギュスターヴ・ドレ
出版 新潮社
p120より引用
“ 国家の弱体化は、外的要因よりもずっと
高い割合で、内的な要因によるものである。
言い換えれば、国内の混迷が国全体の力を弱
めるのだ。”
古代ローマや中世ヨーロッパに関する多く
の著作を持つ著者による、長年に渡る宗教対
立を描いた一冊。
聖地巡礼に関わるいざこざから始まり歴史
に残る大きな戦まで、地図と美しい絵を使い
描かれています。
上記の引用は、ビザンチン帝国皇帝が親族
に殺されたエピソードについて書かれた項で
の一節。
味方同士で諍いあっていると、敵に横っ面を
叩かれることになってしまうので、いかに
味方同士で争わないかが大切なようですね。
日々の気持ちの平安を求めるであろう宗教
によって、諍いが起こってしまうのはなんと
も複雑なものです。
平和を唱えながらも、やたらと暴力的な言動
を繰り返す人が現代にもいるようですが、こ
ういう歴史をいつまでも繰り返さないために
も、よく考えて行動したいものですね。
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読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
さ行
- 感想投稿日 : 2016年3月6日
- 読了日 : 2016年3月6日
- 本棚登録日 : 2016年3月6日
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