絵で見る十字軍物語

著者 :
  • 新潮社 (2010年7月1日発売)
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読書録「絵で見る十字軍物語」4

著者 塩野七生
絵 ギュスターヴ・ドレ
出版 新潮社

p120より引用
“ 国家の弱体化は、外的要因よりもずっと
高い割合で、内的な要因によるものである。
言い換えれば、国内の混迷が国全体の力を弱
めるのだ。”

 古代ローマや中世ヨーロッパに関する多く
の著作を持つ著者による、長年に渡る宗教対
立を描いた一冊。
 聖地巡礼に関わるいざこざから始まり歴史
に残る大きな戦まで、地図と美しい絵を使い
描かれています。

 上記の引用は、ビザンチン帝国皇帝が親族
に殺されたエピソードについて書かれた項で
の一節。
味方同士で諍いあっていると、敵に横っ面を
叩かれることになってしまうので、いかに
味方同士で争わないかが大切なようですね。
 日々の気持ちの平安を求めるであろう宗教
によって、諍いが起こってしまうのはなんと
も複雑なものです。
平和を唱えながらも、やたらと暴力的な言動
を繰り返す人が現代にもいるようですが、こ
ういう歴史をいつまでも繰り返さないために
も、よく考えて行動したいものですね。

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読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: さ行
感想投稿日 : 2016年3月6日
読了日 : 2016年3月6日
本棚登録日 : 2016年3月6日

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