光圀伝 (上) (角川文庫)

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本棚登録 : 695
レビュー : 67
著者 :
izzyさん 小説   読み終わった 

 冲方丁先生の『天地明察』と対をなす、という『光圀伝』。徳川光圀の生涯を描いた本。出来事とそれを光圀が振り返る「明窓浄机」という章立てで交互に現れていくのが面白かった。

 幼少期の父・頼房の過酷な試練と兄・頼重がいるにもかかわらず、世継ぎに選ばれた葛藤・そして、宮本武蔵や学を競う朋友として読耕斎・泰姫との邂逅など。泰姫のやんちゃぶりとそれによって、姫やその側近である左近と仲良くなっていくのは王道ではあるがとっても良かった。
 ただ、春海と絡むシーンが少なかったのが、天地明察ファンとしてはちょっと残念だった。(笑)
 また、光圀の小姓である藤井紋太夫が考えた大政奉還という思想が幕末に現れるというのも面白いある種の皮肉であろう。

 光圀が途中で述べている、私は生涯の生涯はだれかを見送るためにあるというのは、途中までの渋川春海と同じなのではないだろうか。そして、春海と違う所は、光圀が最初に朋友を得て失いながら成長していくのに対して、春海は一人で成長しながら朋友を得ることによってさらなる成長が促されたところではないだろうか。二人の朋友の出会い方が対照的で、対を成す、と唄った一つの原因かと思った。

レビュー投稿日
2015年7月19日
読了日
2015年7月19日
本棚登録日
2015年7月19日
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