神樹

  • 朝日新聞出版 (1999年9月1日発売)
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感想 : 6
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中国の農村を舞台とした、驚異の物語。

何百年来村のシンボルとして存在し続けた古木「神樹」。その神樹が初めて花を咲かせたその時から、過去と現在、夢と現、生者と死者が渾然とした、壮絶なる伝説が幕を開けた・・・。

中国版マジックリアリズムの真髄と呼んでも差し支えなかろう。カルペンティエルやマルケスら南米のマジックリアリズムは自然現象自体に驚異的な現実を多く見出しているのに対し、こちらは政治・社会現象に驚異的な現実が多く見出されている。この小説を読んだ最大の感想は、この小説は中国人にしか書き得ないものだということ。マジックリアリズムの影響を大いに受けつつも、中国伝来の小説文化が脈々と受け継がれているように思える。中国の小説でしか感じられない熱気が流れている。

中国の歴史は、いつの時代も農民こそが主役であると再認識した。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 中国・韓国・東南アジア文学
感想投稿日 : 2009年12月15日
読了日 : 2009年12月27日
本棚登録日 : 2009年12月27日

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