「中学受験」をするか迷ったら最初に知ってほしいこと 4万人が支持する塾講師が伝えたい 「戦略的高校受験」のすすめ

  • Gakken (2024年5月23日発売)
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高校受験の塾講師から見た、過熱化する中学受験への客観的な視点と、著者の提唱する"戦略的高校受験"の紹介を軸とした一冊。

先行き不安感が募る日本において、子どもに少しでもいい教育を受けさせようと、首都圏を中心に中学受験が過熱化している昨今。ただ、魅力的で多様な私立中高が多数存在するのは確かながら、そこに至るにはあまりに過酷な勉強量を小学生に課すことになる。
であるならば、一度立ち止まって、高校受験という選択肢を改めてよく考えてほしい。というのが著者の思い。

本書は中学受験に潜む落とし穴を列記しつつ、趣味や習い事と並行しながら高校受験を勝ち切る「戦略的高校受験」を推奨する。
それにしても、小学生時代から中学内容の先取りを行いましょう、という内容なので、やや特殊かつストイックな手法なのだが、まだレッドオーシャンではないと言えそうな方法論である。

それ以上に、もしかしたら今の親世代にとって参考になるのは、公立中の内申点に関する現状や、個性豊かな都立高校を紹介した後半部分かもしれない。
特に、内申点とは不透明極まりない評価方法であるという思いが強い人は一読の価値があるかもしれない。現在の手法で公平客観な評価が完全に保証されているとは思わないが、昔よりだいぶマシになっていそうな印象は受ける制度になっている。

どうしても東京都を中心とした話が多く、非都民としては参考にしづらい箇所もあるが(というか、ただ東京が教育に力入れていて羨ましくなるだけ。笑)、中学受験を選択するかどうかという問題は、すなわち高校受験という選択肢との比較で判断することなので、中学受験をまずは志しているという人も一読の価値はあると思う。特に都民は。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 子育て・教育・受験
感想投稿日 : 2024年9月14日
読了日 : 2024年9月14日
本棚登録日 : 2024年9月14日

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