元華族たちの戦後史 没落、流転、激動の半世紀 (講談社+α文庫)

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  • 講談社 (2016年6月21日発売)
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 酒井美意子。お父様は旧加賀藩主で侯爵の前田利為、お母様は姫路藩主で伯爵酒井忠興の娘、前田菊子。夫は従妹で酒井家宗家当主の酒井忠元。昭和天皇の第一皇女、照宮成子様のご学友で昭和天皇には何度かお会いになっていたようだ。筋金入りの華族様です。
 美智子さまご成婚、昭和天皇崩御、雅子様ご成婚の際にはマスコミ露出も頻繁にあったそうだが、あまり覚えていない。
 華族とは…大名、公卿(くげ・くぎょう)出身者(旧華族)及び明治維新に活躍した人々(新華族)のこと。
旧華族は新華族を「成り上がり者」としてばかにしていた。公・侯・伯・子・男の順で位が高い。そして、華族は兵士になることを義務付けられていた。
 敗戦後、十万円以上の財産を持つ者には最高90%もの財産税が課せられ、華族たちは大打撃を受け、昭和21年5月には秩父、高松、三笠の三直宮家(昭和天皇のご兄弟)を除く皇族は、平民になってしまった。
 …というような説明から始まり、美智子妃殿下婚約の騒動や、昭和天皇の戦争責任について、そして雅子様を通してこれからの皇室のあり方等々、今までぼんやりとしか見えていなかった華族というものが、すこーし輪郭を持ってきたかな。

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カテゴリ: 歴史本
感想投稿日 : 2016年9月26日
本棚登録日 : 2016年9月26日

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