妻ががんなのに、僕は恋人のベッドにいる。

  • バジリコ (2009年1月23日発売)
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感想 : 3
4

がんは死亡原因の第1位。
小学生の子供でも、がんは重い病気だと知っている。
当然のように、がんを主題とした小説、エッセイ、実用書は多い。

本作はそんな「がん小説」の中ではかなり異端児だ。
オランダ人の著者が、妻の闘病生活をもとに書いた実話に基づくフィクションである。

愛し合う夫婦に突如訪れる死の宣告。カルメン夫人のがん発覚から、壮絶な闘病のはて死に至るまでのストーリーを描く。
と、ここまでは普通の「がん小説」のようだ。

患者視点の本はごまんとあるが、
闘病中の性生活や、女性のメンタルな悩み、医療に対する疑念や不満が生々しいまでに描写されているのが本書の特徴の1つ。
くわえて、主人であるスタインの止まらない浮気癖。
邦題からもわかるように、かなりキワドい内容である。

日本では、このような描写は不謹慎ととられるかもしれない。
しかしながら、直視しなければいけない現実もしっかりと書き込まれている良い意味でリベラルな本である。


また、ポップスやロックの歌詞等からの引用が多く、遊び心もふんだんに取り入れられているのも本書の魅力だと言える。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外文学
感想投稿日 : 2011年8月16日
読了日 : 2011年8月16日
本棚登録日 : 2011年8月16日

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