祖国よ友よ (角川文庫 緑 638-2)

著者 :
  • KADOKAWA (1986年5月1日発売)
3.38
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本棚登録 : 14
感想 : 1
3

【ネタバレあり】
船戸与一の短編をはじめて読みました。
以下各作品のレビューです・

「祖国よ友よ」
・外人部隊上官の悪事に怯むことなく、盟友の意思を受け継ぎ、それを果たしていく様がカッコよくもあり、ハードボイルド一直線という感じでよかったです。ただ、ストーリー的には若干物足りなさを覚えましたが。

「爆弾の街」
・こういう運命は辿りたくないという典型的な話でした。可もなく不可もなく。

「どしゃぶり行路」
・主人公目線でいうとちょっと出来すぎた話かと。こちらも可もなく不可もなく。

「北溟の宿」
・この話が一番おもしろかったです。決して弱みをみせることのない主人公のハードボイルド路線はカッコよかったですし、最期に見せる落ち着いた振る舞いもカッコよくもあり、儚さもありました。

これで船戸作品は3作品目ですが、どうやら、主人公の背負っている境遇、ヒーロー像はいつも似たもののようですね。まず、日本人であり、外国で反骨の精神で生き延びていく様が浮かび上がっています。


船戸与一作品:3冊目読破。
読書期間:2009.5.14~5.21

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 船戸与一
感想投稿日 : 2009年10月17日
読了日 : 2009年10月17日
本棚登録日 : 2009年10月17日

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