- ロカノンの世界 (ハヤカワ文庫 SF ル 1-5)
- アーシュラ・K・ル・グィン
- 早川書房 / 1989年5月31日発売
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ル・グィンの処女長篇にしてハイニッシュ・ユニバースシリーズの第一作。全世界連盟より派遣され、未開の惑星であるフォーマルハウト第二惑星へ調査官として訪れたロカノン。連盟に敵対する勢力に仲間を殺され取り残されたロカノンが、惑星の住人たちと共に旅する。SFのようなあらすじだが、ファンタジー色が濃く、様々な種族や風虎などの魅力的な生物が登場する。神話のような美しい短篇「セムリの首飾り」から始まるこの物語だが、SFとファンタジーの融合がここまで上手くできるのは彼女のなせる技。続けて辺境の惑星を読み進めていく。
2023年3月16日
- 新装版 ロードス島戦記 灰色の魔女 (角川スニーカー文庫)
- 水野良
- 角川書店 / 2013年10月31日発売
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【再読】中学生くらいの頃夢中で読んだ本作。思い出補正がかかっていたせいか、全体的に描写が薄い(人物の心理描写が乏しい・周囲の描写はほぼない)、展開が急すぎる等、今読むと気になる点がいろいろと・・・。しかしそこはラノベの元祖、戦記物の金字塔。若い世代にはぜひ読んでもらいたい作品。以前kindleのセールで全部買ってしまったので、思い出に浸りながらぼちぼち読んでいこう。
2023年1月10日
- エデン (ハヤカワ文庫 SF 745)
- スタニスワフ・レム
- 早川書房 / 1987年11月1日発売
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このモヤッとした終わり方はいかにも。異星生物とのコミュニケーションなんて簡単にとれるもんじゃあないんだよ、と主張するレムさんお得意のファーストコンタクトもの。エデンに不時着した地球人が、スタートレックよろしく未知の惑星を探検してまわる。レムの想像力によって構築された世界観は、描写が具体的なのになぜか脳内で映像に変換できない。だがこれこそがSFとも言える。複体生物にしろ、奇怪な植物や謎の工場にしろ、とにかくすぐには理解できないものだらけだ。それでもその理解不能を楽しむのも良いかもしれない。これで三部作は読破したが「砂漠の惑星」が好みだった。
2022年9月14日
- ヴィリコニウム〜パステル都市の物語 (TH Literature Series)
- M・ジョン・ハリスン
- 書苑新社 / 2021年12月27日発売
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以前から読みたかったパステル都市。アトリエサードさんのおかげで読むことができた。(サンリオSF版もどこかにあるが発掘が面倒)正直なところ最初の短編でイメージがつかめずに何度もくじけそうになった。中世的な世界観にロストテクノロジー、錆でできた砂漠。飛行艇や外骨格をまとい戦う小人トゥーム(マトリックスのAPUのイメージ)はるか未来の地球を舞台に、魅力的な小道具は散りばめられているが、全体的に話が暗く気持ちが乗り切らなかった。ただ、価値ある一冊であることは間違いないと思う。
2022年4月15日
- レッド・マーズ〈下〉 (創元SF文庫) (創元SF文庫 ロ 1-3)
- キム・スタンリーロビンスン
- 東京創元社 / 1998年8月26日発売
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2022年2月8日
- 炎の記憶 (田中芳樹初期短篇集成2) (創元SF文庫)
- 田中芳樹
- 東京創元社 / 2017年9月29日発売
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初期短篇集2巻。冒頭3作品は「創竜伝」のプロトタイプとの事。他の作品も含め、これ一冊で様々なジャンルの短篇を楽しむことができる。「ブルースカイ・ドリーム」「銀環計画」が特に好み。どちらも映像化したら面白そうだ。通して2冊の短篇集を読んだことで、田中芳樹ブームが来てしまった。まだ未読の作品がたくさんあるので、少しずつ読んでいこう。
2021年8月31日
- 春にして君を離れ (クリスティー文庫)
- アガサ・クリスティー
- 早川書房 / 2004年4月16日発売
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初クリスティ。砂漠の真ん中のレストハウスで数日間足留めを余儀なくされたおばさんがあれやこれやと思い悩む物語。何かにつけて自分に都合の良い解釈をするジョーンに終始イライラした。最終的に悔い改め、ロドニーに赦しを乞おうと決めたのに、あの態度はいったい…。何もかも分かって受け止めているロドニーが不憫になってくる。またファーストチョイスを誤ったようだ。
2021年8月18日
- デューン 砂の惑星〔新訳版〕 (上) (ハヤカワ文庫SF)
- フランク・ハーバート
- 早川書房 / 2016年1月22日発売
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SF好きなら避けては通れぬ砂漠の惑星。ヴィルヌーヴ監督の映画が公開される前にと読み始めた。惑星の覇権を巡るスケールの壮大さ、また宗教的・精神的で重厚な世界観に惹き込まれる。遥か未来の物語だが、PCやAIが禁止・拒絶された世界で、メンタートと呼ばれる演算能力を訓練した者が指導者を補佐する。皇帝の意によるアトレイデス家とハルコンネン家の惑星アラキスを巡る対立の中で、徐々に自分の能力と使命に目覚めていく公爵の息子ポールの成長譚でもある。先にリンチ版の映画を観ていたためか、スムーズに世界観に浸ることができた。
2021年8月12日
- 緑の草原に…… (田中芳樹初期短篇集成1) (創元SF文庫)
- 田中芳樹
- 東京創元社 / 2017年9月29日発売
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田中芳樹氏の初期短篇集。よく考えてみると、銀英伝とアルスラーン(当時発刊されていたところまで)、創竜伝を少し読んだだけで、後はまるで読んだことがない。短篇などは本当に初めて読む。40年以上前の作品なので多少の古さはあるが、アシモフやブラッドベリっぽいテイストも感じるとても硬派なSF作品だった。「流星航路」「懸賞金稼ぎ」あたりが好みだったが、どれもハズレなし。
2021年8月10日