この時代にあって、かくも慈愛に満ちた可能な限りの策を尽くし、いよいよ行き詰まれば自らの命を代償に御法度破りで人命を救う、そんな人物が実在したのだね。この時代どころか、どの時代であれ希有であって出会えない。薩摩国から唐芋を持ち帰る(盗み出しだけど)の冒険譚や、僧侶の泰永が元隠密であったという設定はご愛嬌で、物語に彩りを与えてくれる。享保に劣らず平成、令和と災害が襲う。いつの世も法の遵守は基本なれど、未曽有の事態での首長の決断が問われる。改めて井戸神社に参詣しなくては。
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- 感想投稿日 : 2019年10月22日
- 読了日 : 2019年10月22日
- 本棚登録日 : 2019年10月22日
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