メインタイトルから軽い心理学を盛り込んだ直感右脳系の内容かと思いきや、バリバリの経済学を元に展開される内容でした。
(サブタイトルにある「行動経済学」が目に入らず)
経済学の基礎知識があってもなかなかに難解な内容となっており、
一度にぱっと頭に入り、理解できるというより、何度か読み返して理解に繋げていければといった感じです。
過去の賢人たちの経済学理論/心理学理論の面からの裏付けもありますが、自分なりに、もうすこし別の状況を盛り込んだ考えもできるのでは?
という点も見え隠れしました。
例えば 価値観数・確率加重関数の点では、リスク(愛好/中立/回避)タイプによってまた別の曲線が出来るのでは、、、と感じる点です。
ただ、著書自身最後に「自分自身バイアスにかかっている可能性もある」としており、この前提に気付けたことに大きな価値があるでしょう。
私自身、
サイモンの事実前提(すべての情報を得ることはできない)、価値前提(人の価値観は十人十色)は理解しているが、
思い返せば、アンカリングや利用可能/代表性ヒューリスティックに陥っていることは多々あり、真に客観的に自分や自分の仕事、組織を見つめることは非常に難しいことだと、再認識できました。
「あいまいな人間の心理や判断が
すべてロジカルに間違いなく説明できるとしたら、それはそれで
うさんくさい。」
「様々な捉え方があるからこそ、行動経済学は、"あいまいな"人間の心理を説明するのに 返って信頼できる。」
そんな自己矛盾な事も最後に書き記してあるほど、
物事を客観的に見ることの本質・重要性を気付かせてくれる一冊です。
- 感想投稿日 : 2012年7月21日
- 読了日 : 2012年7月21日
- 本棚登録日 : 2012年7月10日
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