
各国政治の専門家が、人口に膾炙した"アラブの心臓"に位置する国々に対する虚像をひっぺがし、刻一刻と変化する情勢を丁寧に解きほぐす本書。
対象となる国々が現在の状況に置かれている要因を、それらの国々に対する欧米諸国の一貫性のない政策のみに帰国することに、終章のしかも最後の段落で言及していることのみをとりあげても、本書が信頼に足るものだと理解できる。
他方、各国の基本情報は紙幅の都合上か割愛されているため、この地域に馴染みのない読者が本書を読む時は、世界史の資料集あたりを脇に置いてよむと、よりすっきり理解出来るかも知れない。
私を含め、この地域の現状を「分かって」いるべき立場にいる全ての人々に、一読をお勧めする良書。
- レビュー投稿日
- 2019年3月24日
- 読了日
- 2019年3月24日
- 本棚登録日
- 2019年3月24日
『「アラブの心臓」に何が起きているのか――現代中東の実像』のレビューへのコメント
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