緋色の椅子 (第2巻) (白泉社文庫 み 4-4)

著者 :
  • 白泉社 (2012年1月17日発売)
4.04
  • (18)
  • (16)
  • (12)
  • (2)
  • (0)
本棚登録 : 192
感想 : 15
3

二巻から息つく間もなくノンストップで駆けていってしまって、読み終わった後はなんだか落ち着かなかった。

初めは外見も中身も男の子にしか見えなかったセツが段々、無自覚ながらも女の子として開花していって、疑心暗鬼だったキャラクター達との信頼を紡いでそれを確信ある物にしていく。

一巻と比べるとイラストの線も、こころなしか台詞もハッキリとしたものになってきて、少しの迷いも感じさせませんでした。とにかく迫力ある一冊。多分、もう一、二冊のばしても充分に面白い作品だったんじゃないのかなあと思います。

沢山の事を盛り込みながら嵐のようにさっと訪れて、引き際もさっと引いて終わってしまったので、個人的にはもう少しルカや一世代上の人達の真意に余韻を持ちたかった。

始まりはアッサリでしたがそこにまとわりつく陰謀や策略が意外と奥深くまで浸透していて、一冊読むのにはかなり体力を使いました。

ラストについては私は好きなタイプです。ああいうのが今の夏目を書いておられる緑川さんらしい。読みやすさではやっぱり最近の作品の方がするするっと読めますが、作品から感じ取れる想いは今と変わっていないのがファンとしてはすごく嬉しい作品でした。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: コミックス
感想投稿日 : 2013年2月7日
読了日 : 2013年2月7日
本棚登録日 : 2013年2月7日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする