論理的に考える技術〈新版〉 「思考する力」は構想と発想、そして接続詞の理解で驚くほど伸びる! (サイエンス・アイ新書)

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  • SBクリエイティブ (2011年9月16日発売)
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感想 : 9

 考えるというのは意外に難しい。自分では一所懸命考えているようでも何もアイディアが浮かばず、ただ時間だけが過ぎている、ということもよくあることだ。あるいは、いいアイディアが浮かんだと思っても、人に説明しているうちに大したアイディアではないと気づいたり、自分の考えを相手に十分に理解してもらえなかったり…また最初から考え直すということもたびたび経験する。そんなとき私は「もっと論理的に考えないとだめだよなあ~」と反省してみるのである。

 この本の著者である村山氏は「図形化することで論理的に考えることができるようになる」と提案している。図形化といっても、絵心がないと描けないのではと心配することはない。○や□に矢印が書ければそれで十分。あとはその○と□の中に文字を書き込んでいくだけで図は完成する。実際、村山氏が書いた文章を、どんどん図形化して見せてくれる。何だ、これなら私にもできそうと誰もが思うはず。しかも、村山氏の文章はテーマがバラエティにとんでおり、どれも読みやすい。

 もちろん、ただ図を描けばいいというものではない。あるキーワードに着目して、文章のパターンに分類する作業が図形化である。このあたりは、詳しく書くとネタバレになる可能性があるので省略するが、簡単そうに見える割には、実に効果のあるやり方と言えるだろう。

 さて、この本を読むと、本当に論理的に考えられるようになるのだろうか。読み手の個人差もあるだろうが、一つ言えるのは、文章の読解力は格段に向上するということ。実際、村山氏が図形化すると、その文の論理が鮮やかに浮かび上がってくる。あとは、図形化の練習を自分なりにけることが必要になるだろう。何しろ、この本を読むのに要する時間はわずか1~2時間だ。何事も、確かに自分の力として身に付けるには、もう少し時間のかかるものだ。方法論が分かれば、あとは練習あるのみだ。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
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感想投稿日 : 2014年5月21日
読了日 : 2006年12月21日
本棚登録日 : 2014年5月21日

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