カエルの楽園 (新潮文庫)

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著者 :
やまたくさん  未設定  読み終わった 

カエルの楽園

正直に言って、面白くないわけではないが下品だと思った。これは、直前に百田尚樹の新書「戦争と平和」を読んだからということもあるかもしれないが、著者の政治信条が如実に透けて見えてしまい、小説としての、フィクションとしての良さが感じられなかった。作中に出てくる「ハンドレット」というカエルはまさしく百田自身の化身であるのは明らかで、自分の小説に自分を登場させてええかっこしいするのはなかなかサムい演出ではある。しかし、自分自身、百田尚樹の政治信条に関しては完全に反対なわけではないので、小説の様な状況はいずれ日本に起こりうるということは想定できる。結局のところ中止になってしまったが、自分の大学の学園祭に来て、講演することはそれなりに楽しみではあった。それはそれとして、「海賊と呼ばれた男」や「永遠の0」を読んで感動した自分としては、この小説には、小説という範疇としてみれば、少しばかり失望した。自分はジョージ・オーウェルの「動物農場」がオールタイムベストというほど好きではあるが、同時代人にとって動物農場はどのように映ったのかは気になる。時間というフィルターを通さずに読む現代風刺、歴史風刺は、この本で味わったからこそ、それは気になる。

レビュー投稿日
2017年9月3日
読了日
2017年9月2日
本棚登録日
2017年9月2日
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