無意識の構造 (中公新書 (481))

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本棚登録 : 988
レビュー : 79
著者 :
やまたくさん  未設定  読み終わった 

・深層心理学では、ヒステリー患者の言う恐ろしい経験が実は虚偽であれ、それを患者が無意識に願望している事実であると考える。ヒステリー患者はそれが虚偽であるとわかったからと言ってヒステリーが治ることはないのは、その恐ろしい経験を実は渇望していることと、自分が渇望しているという事実を認識していない点が真の病理と言えるからである。
・自我=拡散と収縮という相反する運動を共存させる。拡散とは、無秩序の中で、ある一点を設定することで外界と内界という形で秩序付け、外界や内界との接触運動により、自己を変革しようという自我の働き。収縮とは、自分に統合性をもたらすために、雑多なものをまとめる自我の働き。
・普遍的無意識というユングの概念があるが、これがとても東洋的なのである。人間には意識の下部に個人的な無意識があり、そのさらに下部にはすべての人類に共通する普遍的無意識というものが存在する。いわゆる本能的なもの、人間の初期設定である。世界中の神話や宗教が似たような形をもつのもこの普遍的無意識によるもので、思うにこの普遍的無意識は人間に集団的思考、つまり自己犠牲の精神などをさせている。岡潔の無差別智に近い概念で、面白い。とても夢がある。
・シンボルと記号があるが、ユングの定義では、意味されるもの(シニフィアン)が理解できるものを記号といい、わからないものをシンボルという。決して言葉では説明できないが、お互い感じあえるものをシンボルという。

レビューを書こうと読んでいるうちにいろいろなことに気付く。上記はまだまだ一部だが、何度も読むに値する本だろう。

レビュー投稿日
2016年4月1日
読了日
2016年3月31日
本棚登録日
2016年3月31日
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