いつもの時代背景とは違って明治維新後の物語。舞台も函館から始まる。ただこの作者の筆になる人の人となりや生き方が変わるわけではないので、雨竜千吉とお順をめぐる物語はいつものように流れてゆく。最後に後日譚が書かれているところが実在人物を思わせるがもちろん創作であって、千吉が函館で私淑する卯之吉は実在人物なのだそう。函館時代のエピソードで重要な役回りを果たす娼家の小鶴が不憫だ。そういう時代であったとはいえ、千吉もいいかげんな奴だ。大火の犠牲となったのは哀れだが、その方がよかったのかもという気もする。
読書状況:読み終わった
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カテゴリ:
時代小説
- 感想投稿日 : 2017年10月15日
- 読了日 : 2017年9月24日
- 本棚登録日 : 2017年10月15日
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