眠りをむさぼりすぎた男 世界探偵小説全集(10)

  • 国書刊行会 (1995年6月1日発売)
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感想 : 6
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 これぞクレイグ・ライス、まったく期待を裏切らない。マローンもヘレンも出てこなくてもライスだなと安心できる。週末のパーティに招待されたいわくつきの人々。その秘密資料を蒐集しているホスト役兄弟の一人ジョージが自室で殺害される。いわくある客たちは個別に秘密資料を取り戻すべく寝ているはずのジョージの寝室へ侵入するものの、お目当てのものは見つからずかえって当のジョージの死体を発見して驚愕する。ところがその事情のためにうかつにジョージが死んでいると公表することができない。かくして全員が同じ事実を知っていながらそれぞれ自分だけの胸に秘めざるをえない状況で疑心暗鬼になり葛藤する。そのあたりのサスペンスがうまい。プロットとしてはパット・マガーだねこれは。それぞれが沈黙していたとしていつまでも隠しおおせるわけもない、というわけで結末は意外や意外ということになる。ほんとうまいなライス。どうしてこんな達者な著者がもっと注目されないのか不思議。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 海外ミステリ
感想投稿日 : 2015年1月10日
読了日 : 2015年1月10日
本棚登録日 : 2015年1月10日

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