火星人類の逆襲 (新潮文庫)

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本棚登録 : 43
レビュー : 6
著者 :
淳水堂さん 日本文学   読み終わった 

H31年(R元年)大河ドラマ「いだてん」に登場している天狗倶楽部。
https://www.nhk.or.jp/idaten/r/cast/
早稲田大学学生を中心として、スポーツに燃えるバンカラ集団。バンカラとはインテリの高襟ハイカラ―に対して、蛮殻でバンカラ。
中心人物押川春浪(しゅんろう)は冒険小説家。
スポーツはイマイチだったため“日本最初の応援団長”となった虎髭彌次将軍、吉岡信敬(しんけい)。
文芸評論家で電気工学者の中沢臨川(りんせん)。
大河ドラマでは、日本最初のオリンピック選手として短距離走に出場した三島弥彦を賑やかに応援する。
テング、テング、テンテング、テテンノグー。
奮え(フレー)、奮え(フレー)、天狗!

応援の決まり文句「フレー」の語源が「奮え(奮い立て)」だとは初めて知った!

…さて、この「火星人類の逆襲」物語はウェルズの「宇宙戦争」を元にしています。
宇宙戦争感想はこちら
https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4036525409#comment
https://booklog.jp/users/junsuido/archives/1/4036525409#comment

イギリスを襲うが地球の最近により滅び去った火星人が、それから13年後日本を襲うので「逆襲」です。
最初は日本人も「13年前バクテリアによって滅びた火星人類なら、今度も放っておけば亡びるだろ」とイマイチ緊迫感がありません。しかし彼らの破壊力は凄まじかった。熱線攻撃の一瞥で次々焼かれる兵士たち、倒壊する建築物(慶応大学壊れちゃいました(笑))。
阿鼻叫喚の東京ですが、世界情勢は緊迫中、日本国家としては、海外には日本の危機を知られてはならず、日本国民にはパニックにならない程度に避難させねばなりません。
そこへ天狗倶楽部参入。
当時の名物男だったらしい押川春浪や、虎髭彌次将軍吉岡信敬たちが偵察に出て、弱点を探り当てます。
しかし頭が固くプライドだけ高い軍部は民間人の協力を馬鹿にしている。バンカラ集団天狗党は、そんな軍の態度がもどかしく、なんとか火星人撲滅作戦進めてゆきます。

天狗党の活躍により火星人攻略の武器が作られついに火星人を撲滅させます。
ずいぶんあっけないのですが「戦争とはそんなもので、一つ穴が空いたらあとはボロ負け」ということは当時の人たちにはわかりきった事だったのでしょう。

見事に勝ったとはいっても、天狗倶楽部は生きるために戦った火星人類に対して「我々に大和魂があるように、彼らには火星魂がある」と認める部分もありました。
そして「そもそも諸外国は、この日本の危機に乗じて救援と嘘をつき占領の軍を送ってこようとした(ソ連が北海道派軍、欧米が海軍侵攻させてきた)。だが次にこのような危機があったら、国の違いを越えて地球規模で協力しなければけない」
そして戦いの最中に押川春浪は火星人類と心を通わせていました。
いつか地球と火星人類とが共存できれば…という希望で小説は終わりになります。

レビュー投稿日
2019年4月21日
読了日
-
本棚登録日
2019年4月21日
5
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