華族総覧 (講談社現代新書)

著者 :
  • 講談社 (2009年7月17日発売)
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感想 : 3
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本書は、経済史を専門とし

明治維新や華族制度に関する著作がある筆者が、

華族について紹介する著作です


都道府県別に、当地出身の華族の来歴や

主な業績、子孫の活動などを紹介し、

巻末には、明治~昭和期の資料をもとに筆者が作成した

華族の資産とその推移を示す表が掲載されます。


千家近くにも及ぶ華族を紹介するという性質に加え

あくまでも説明に徹しているので、

文章そのものは単調な説明体になります。


しかし、戦後の国会議員・北条浩が早雲の子孫であるとか

古川ロッパが加藤弘之の孫である―など

紹介される情報はいずれも興味深く

行間からは、著者の華族制度に向ける情熱が色濃く伝わります。


さらに、華族について網羅的に紹介する著作であるがゆえに

(西郷隆盛の子孫は華族であるにもかかわらず)

江藤新平や川路利良の子孫は爵位を授かっていないなど

華族になれなかった人々や、なれなかった事情について興味もわきます。


前近代と近代を結ぶ華族について、膨大な情報を提供する本書。


通読はキツイかもしれませんが、

近代史に興味はある方はもちろん、戦国時代に興味がある方など、

歴史好きの方には、常に傍に置くことをおススメしたい著作です☆

読書状況:積読 公開設定:公開
カテゴリ: 日本史・近現代史
感想投稿日 : 2010年6月27日
本棚登録日 : 2010年6月27日

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