本書は、経済史を専門とし
明治維新や華族制度に関する著作がある筆者が、
華族について紹介する著作です
都道府県別に、当地出身の華族の来歴や
主な業績、子孫の活動などを紹介し、
巻末には、明治~昭和期の資料をもとに筆者が作成した
華族の資産とその推移を示す表が掲載されます。
千家近くにも及ぶ華族を紹介するという性質に加え
あくまでも説明に徹しているので、
文章そのものは単調な説明体になります。
しかし、戦後の国会議員・北条浩が早雲の子孫であるとか
古川ロッパが加藤弘之の孫である―など
紹介される情報はいずれも興味深く
行間からは、著者の華族制度に向ける情熱が色濃く伝わります。
さらに、華族について網羅的に紹介する著作であるがゆえに
(西郷隆盛の子孫は華族であるにもかかわらず)
江藤新平や川路利良の子孫は爵位を授かっていないなど
華族になれなかった人々や、なれなかった事情について興味もわきます。
前近代と近代を結ぶ華族について、膨大な情報を提供する本書。
通読はキツイかもしれませんが、
近代史に興味はある方はもちろん、戦国時代に興味がある方など、
歴史好きの方には、常に傍に置くことをおススメしたい著作です☆
読書状況:積読
公開設定:公開
カテゴリ:
日本史・近現代史
- 感想投稿日 : 2010年6月27日
- 本棚登録日 : 2010年6月27日
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