カオルコさんにジャンルは必要ない。カオルコ それだけで
一つのジャンルを形成できる。
とはいえ、今回の本はかつて様々な小説でも準えてきたようにイタい親を持つ生い立ちを昇華させ、日常ミステリーの味付けをした方式なのかと初めのころは感じさせた。
読み進めるうちに次第に文字通り痛くなってきた。カッターナイフの下りは文字を目で追うことさえ苦痛と思えるほど。
客観的に親というもののありようを考えさせられ、また顧みることもできた。自分自身の育ってきた過程も含み。
心地よいとは言いかねる読後感だったけれどカオルコさんというジャンルにまた一つ深みが加わった。
読書状況:読み終わった
公開設定:公開
カテゴリ:
姫野カオルコ
- 感想投稿日 : 2015年12月9日
- 読了日 : 2015年12月9日
- 本棚登録日 : 2015年12月9日
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