安全な建物とは何か -地震のたび気になる”建築基準”- (知りたい!サイエンス) (知りたい!サイエンス 75)

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  • 技術評論社 (2010年2月15日発売)
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感想 : 3

「今の基準は最低限のルールを、解明されていない地震科学をもとに、細かく定めすぎてしまったのだ。実際にどのくらい安全かどうか、安全は誰が守るのかといった本来の基本が失われてきている」本文より抜粋。まさにそのとおりだと思う。最適で安全な建物を設計するのにエネルギーと時間を使うのではなく、法律を守ることに使っているような感じである。誰が設計しても法律を守りさえすれば最低限の建物は設計できるかもしれないが・・・。
 本書で学んだことは、信頼性指標と期待総費用最小化原理である。現在の基準では、設計した建物がどのくらいの安全か定量的に評価できない。本書で、安全性を確率的に表す信頼性指標についての概要が書かれている。今後さらに詳細な本にて勉強したいと思った。また、社会的合意にもとづく耐震性として、建物の費用は、損失を含めて決まることとある。最適な耐震性とコストをもとめる方法の概要が書かれている。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 建築 地震リスク
感想投稿日 : 2012年1月6日
読了日 : 2010年9月1日
本棚登録日 : 2010年9月1日

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