獣の奏者 (4)完結編

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レビュー : 418
著者 :
sanaさん ファンタジー   読み終わった 

迫力の完結編。
国境を脅かす異民族ラーザは、川を遡って攻めてきます。
はるか東方の隊商都市の人々は、ラーザに味方する者もでてきます。
もとは征服者のリョザ神王国を異質な存在と感じ、必ずしも味方ではなかったのでした。
しだいに事態の渦中へと否応なく運ばれていくエリン。
王獣を操れる唯一の存在として、母国からも保護だけでなく監視もされる、各国から狙われる立場に。
「残された人々(カレンタ・ロゥ)」に過去に起きたことの事情を聞きに行くことがかなわないと知り、王獣の訓練を続けます。
夫イアルは王獣を戦場に出さずに済むようにと願って、闘蛇乗りに加わることに。
危険な任務のために家を離れることを、一度は泣いて反対したエリンでしたが。
王獣保護場のカザルム学舎で学ぶ一人息子のジェシ。
幼いジェシが母の書いた物を読み、母が死を覚悟していると知った悲しみ。
決戦を前にして休暇を貰ったイアルは、息子のうって変わった様子に驚きます。
過去の伝承が真実なのか、命がけで突き止めようとしたエリン。
家族との幸福を取り戻し、ジェシの未来を切り開くために‥
理由を説明しないままの禁忌ではなく、事実を知らしめることで、今後の方針にして欲しいと願ったのです。
そのとき、何が起きるのか?
真王セィミヤ、大公シュナン、シュナンの妹オリ、側近のヨハル、ヨハルの養子で楽師のロラン、隊商都市の示道者クリウ。
それぞれの立場で苦慮し、決断していきます。
はるかな土地でひっそり暮らしていて、謎の連絡を受け取った民も‥
劇的なシーンから、必死の家族、悲痛な出会い。
意味ある悲劇へ、そして静かな年月の平和へ。
それぞれの勇気と、家族の絆が心に残りました。
何度も読み返すには哀しすぎますが、破綻のない構成と確かな筆致には感嘆。
完成度が高く、印象深い作品です。

レビュー投稿日
2010年10月15日
読了日
2010年10月20日
本棚登録日
2010年10月8日
2
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