「お父さんをやめようと思う」という出だしは有名ですよね。
朝食は必ず家族揃ってとることが家風だが、そこでは爆弾発言も時に出るのだった。
穏やかに仲良く暮らしていた中原一家。
じつは数年前のある出来事から、じわじわと歪みが生じていて、母は家を出ている。
家を出てから一人暮らしをしているのが新鮮で快適らしい母。近くに住んでいて、掛け持ちでパートをし、夕食の差し入れにもよく来る。
何でも出来る兄の直は明るく元気そうだが、実は、何事にも真剣に対処しないようになっている。
もてるのだが、3ヶ月ぐらいでいつもふられてしまう。
ある時、派手な化粧の彼女を連れてきて、妹としては気に入らないが、これが意外と本気になる様子。
ごく普通に頑張ろうと思っている妹の佐和子。
神経質な部分もあり、梅雨になると気分が悪くなりがちなのだが…
中学から一緒の大浦君と進学塾で次第に親しくなり、時には行き違いもあるが、それも微笑ましい。
そのまま高校でもいい感じでつきあいが続く。
哀しい出来事や苦みもあり、少女が背負うには辛い運命。
父の抱えていたものも…
当たり前に、家族のことが気になる感覚。
自分にはない良さのある人を好きになる感覚。
繊細でいて、どこか生命力の豊かさへと繋がっていく展開。
泣けるけど、希望も持てます。
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カテゴリ:
国内小説
- 感想投稿日 : 2011年3月14日
- 本棚登録日 : 2011年3月14日
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