世界地図の下書き

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レビュー : 395
著者 :
sanaさん 国内小説   読み終わった 

朝井リョウの長編7作目は、児童養護施設を舞台に、小学生が主人公。
どうしようもない悲しみやいじめがあり、思うままにならない境遇でも友達は出来て、希望を見出していく話です。

太輔は小学校3年生。
両親を交通事故で亡くし、伯父伯母ともうまくいかず、児童養護施設「青葉おひさまの家」に入りました。
子供のいない伯父伯母をお父さんお母さんと呼ぶことがどうしても出来ず、しだいに叩かれるようになったのだ。

施設で親切にしてくれた佐緒里は、中学3年のお姉さん。佐緒里のことが大好きになる太輔。
同じ班の淳也、美保子、麻利とはだんだん仲良くなります。
同じ年の淳也は小柄で優しく、学校で何かといじめられがちでした。
美保子はおませで、母親のことが大好きで自慢なのだが、その母親から虐待を受けていたために施設にいる。
麻利は淳也の妹で、天真爛漫だが、クラスで仕事を押し付けられたり、変だとからかわれたりしていた。

3年がたち、佐緒里が予定していた大学進学を諦めなければならなくなる。
事情を知った太輔らは、自分達でお祭りにランタンを飛ばす行事を再現しようと、頭を絞ることに。
子供ならではのつたないやり方でも、だんだん形になっていき‥

前半は重苦しいですが、後半の頑張り、子供達の仲のよさが救いになりますね。
「逃げてもいい、逃げた先にも同じだけ希望はある」「私たちみたいな人にこれからまた絶対出会える」と最後に繰り返し語る佐緒里の言葉が感動的です。

2013年7月の作品で、「何者」の次。
直木賞受賞後初の作品ということになりますね。
朝井リョウが書いているという感じがあまりしない。
ある意味、若さを抑えて、広範囲の人に読みやすいようにと意識した、大人になった書き方かな。
この作品で坪田譲治文学賞を受賞しています。

レビュー投稿日
2014年10月9日
読了日
2014年10月4日
本棚登録日
2014年9月26日
11
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