何者

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著者 :
sanaさん 国内小説   読み終わった 

直木賞受賞作。
就活をする大学生の話だってこと、知らない人ないぐらいじゃないかな。

自分は何者なのか、生まれて初めて突きつけられるような就職活動の時期。
不況で就職難なので、結構いい大学の学生でも次々に落ち続けることに。
特異な状況で、内定が出たことがヒエラルキーの頂点に立つことになるという。

演劇サークルで脚本を書いていた二宮拓人。
今はすっぱりやめて、就職活動中。
3年のときから拓人とルームシェアしている光太郎はバンドのボーカルだが、今回のコンサートを最後に引退することになっていた。
いぜん光太郎と付き合っていた瑞月が、1年の留学から帰ってくる。
拓人は瑞月に片思いしているのだが、見守るしかない。瑞月は拓人にはけっこう優しくしてくれる良い友人ではあるが、そういう対象ではないのは目に見えている感じ?
光太郎は人に好かれる性格で、コンサートの後は髪を切って変身。
突然追い越されてしまいそうな拓人だが‥

瑞月の友達の理香が、アパートの上の部屋に住んでいるとわかり、4人は就活の情報交換を始める。
理香も留学経験があり、ボランティアにも積極的なしっかりしたタイプ。
理香の部屋には同居し始めたばかりの恋人・隆良もいた。
就職はまったく考えていないという隆良は、いささか気取った芸術家肌のよう。
拓人はかって二人でコンビを組み、今も演劇を続けている烏丸ギンジが隆良に重なって見えて気になり、現実味がないと感じてしまう。

ツイッターやフェイスブックを駆使する若者達の人間関係は、リアルな付き合いとネット上の短い文章の語るものが交錯する。
どちらが本当なのか、どちらもまやかしを含むのか?と思わせるような‥
しだいにピリピリして来た彼らは、批判し合うことに。

あ痛たたた‥てぐらい、痛烈ですね。
まあその結果は‥
一段階成長したという希望が持てる結末。
ここまで書くとは~前半の余裕はこんなところへ行き着く前提だったとは。
就職活動を終えたばかりで、良くぞここまで抉るように書けたもの。
なるほどの直木賞でした!

こういう就職活動をしたことがない自分って、馬鹿なんじゃないかとしばし呆然‥いやカッコつけてたとかでは全然なく。
事情があったんだから仕方ないわねぇ‥とだんだん思い出しました。でも賢かったとはいえないけど(苦笑)

今の時点で単行本化されている作品はこれでコンプリート。
次はどんな作品が来るか?
楽しみです!

レビュー投稿日
2013年5月20日
読了日
2013年5月12日
本棚登録日
2013年5月12日
16
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