元気のいいヒロイン、登場です。
歴史ミステリの雰囲気もありますが~歴史改変ファンタジーみたいでもあり。
ジャンルとしては、パラノーマル・ロマンスかも?
19世紀末、ヴィクトリア女王の治世。
吸血鬼や人狼が組織化され、一般人には手を出さないことで認められている世界という設定。
満月の夜にだけ変身し野獣化する人狼は、自ら自邸の牢獄に閉じこもることになっていた。
アレクシア・タラボッティは、頭がよく気丈だが、婚期を逃している26歳の令嬢。
亡き父親がイタリア人だったため、ロンドン社交界ではいささか浮いてしまう濃い色の肌に大きめの鼻。
じつはロンドンでただ一人の<魂なき者>(ソウルレス)反異界族。これも父の血を引いている。
母と再婚相手との間に二人の妹があり、俗物揃いの家庭ではみ出し者扱いのアレクシアは半ばシンデレラのよう?
ソウルレスであることも隠しているため、気が強い割には自己卑下の習慣もついていた。
ウールジー城人狼団のアルファ(組織のトップ)であるマコン伯爵は人の姿でも大柄で、誰との決闘にも勝ち続けている。
アレクシアとは、社交の席で顔を合わせては口げんかになる間柄。
アレクシアがソウルレスであることはもちろん、人狼や吸血鬼には知られていた。アレクシアが触れると、そのときだけ彼らは無力化してただの人間の姿に戻るのだ。
ところが、そういった事情を何も知らない吸血鬼に襲われ、乱闘の末にパラソルでやっつけてしまう。
か弱いふりで気絶して見せたアレクシアだが?
地域では、はぐれ吸血鬼が増えているという奇怪な現象が起きていた。
アレクシアは何者かに付けねらわれ、マコン伯爵はそれを守ろうとするうちに、気持ちを抑えられなくなり‥?
出会うたびにキスを繰り返しながら、アレクシアの思い込みと、人狼の風習との違いで、恋愛模様は大混戦?
情報通でおしゃれな最長老の吸血鬼アケルダマ卿や、マコン伯爵の副官で冷静なライオール、気弱なアメリカ人科学者、アレクシアの家の有能な執事など、脇もいい味出しています。
吸血鬼を撲滅しようとしている組織に、研究材料として囚われたアレクシアは‥?!
当時の雰囲気と架空の設定を上手く織り交ぜて~面白い読み物に仕上がっています。
楽しめました☆
著者はカリフォルニア生まれ。母は英国人。
厳格な家庭から逃げ出すため英国で考古学、カリフォルニア大学で人類学を学んだという。
2009年本書でデビュー。
評判を呼び、ローカス賞などいくつかの賞にノミネートされる。
ベストセラーリストにも。
- 感想投稿日 : 2013年1月20日
- 読了日 : 2013年1月20日
- 本棚登録日 : 2013年1月18日
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