「アリバイのA」に始まる私立探偵キンジー・ミルホーンのシリーズ15作目。
シリーズは82年に始まり、ほぼ年一作の刊行ながら、内容はゆっくりしたペースで進んでいるので、この段階でも話の舞台は86年、キンジーは36歳。
携帯電話もなく、ヴェトナムの記憶もまだ新しい時代に生きています。
ジョギングしつつジャンクフードをたっぷり食べるのは相変わらず、忍び込むのが好きではらはらさせられるのも相変わらず。
キンジーが最初に結婚した夫の元に置いてきた私物が貸倉庫から見つかり、その中には思いもよらない一通の手紙が! さらに、別れた夫が行方不明とわかります。
キンジーが警官になったばかりの頃、先輩で強面なタイプのミッキー・マグルーダーに恋をして結婚したのでしたが、暴力事件に巻き込まれて偽証を頼まれ…
これまで明らかにされなかった若かりし日の離婚の真相が語られます。
キンジー自身も知らなかった当時の隠れたいきさつを14年後の今になって知り、責任を感じて追求するキンジーがかっこいい。
少し大人になりつつも、取り返せない年月の重みを感じさせる結末です。これは欠かせない一冊ですね。
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カテゴリ:
ミステリ(ヒロイン)
- 感想投稿日 : 2009年9月24日
- 本棚登録日 : 2009年9月24日
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