人気作家コニー・ウィリスの2010年の新作。
続編「オールクリア」とともに、ヒューゴー賞、ネビュラ賞、ローカス賞を受賞した大作です。
未来(今回は2060年)のオックスフォード大学の史学部で、タイムトラベルが出来るようになっているという設定の長編としては、3作目。
1作目「ドゥームズデイ・ブック」ではペストが蔓延した中世へ、2作目「犬は勘定に入れません」では19世紀ヴィクトリア朝がさかのぼった先でした。
今回は、第二次大戦中に3人の学生が送り込まれます。
メロピーは疎開児童の状態を研究するために、田舎の領主館のメイド、アイリーンとして。
ポリーは、灯火管制(これがブラックアウト)が始まっているロンドンの生活を調べるために、デパートの店員に。
マイクルは、ダンケルク撤退を調査するために、アメリカ人の新聞記者マイクに扮します。
アイリーンは手に負えない姉弟をはじめ子供達に慕われて世話に大奮闘しますが、はしかが流行ってしまい、領主館から出られなくなります。
ポリーは防空壕で催し物を企画する意気盛んな町の人々と知り合い、老いてもハンサムな俳優と劇の読み合わせを楽しむひとときも。
マイクルは少しずれた地点に出てしまい、あれやこれやで勇敢だが少々いかれている老人の船で現場に到着。取材する側ではなく、はからずもダンケルクの英雄となってしまう。
歴史を改変することは出来ないという理論があるのだが、絶対とは言いきれず、マイクルが歴史を変えたのではと悩むことに。
それぞれ、時期も場所もずれているのですが、なかなか帰還することが出来ないためにお互いを探し、大空襲のさなか、やっと合流します。
別な時代に来た緊張を抱えつつ、細やかに描かれた情景の積み重なりから、またまた大変な危機に直面する彼ら。
戦時下の勇気ある人々との助け合いに、いきいきとした感情が伝わるのが、さすがコニー・ウィリス!
冒頭でダンワージー教授が非常に忙しそうにしていて、どたばた喜劇のような始まり。その理由は何だったのか?
オックスフォードで何か起こっているのか?
高校生のコリン少年(ポリーに恋している)は、どう絡んでくるか‥?
それらの答えがすべて続編待ちというのが~つ、つらい‥
「オールクリア」は警報解除という意味なので、すっきり解決するんでしょうね!!?
続編が出るまで我慢してから読んだから、まあもうすぐなんですけど(笑)
- 感想投稿日 : 2013年9月16日
- 読了日 : 2013年9月13日
- 本棚登録日 : 2013年9月7日
みんなの感想をみる