風に舞いあがるビニールシート

著者 :
  • 文藝春秋 (2006年5月31日発売)
3.58
  • (279)
  • (485)
  • (759)
  • (74)
  • (19)
本棚登録 : 2979
感想 : 575
5

大人向きに書かれるとこうなるのかという森絵都の世界。大人って色んな細かな事実を知っていて気がついちゃう、更に知らない世界を知りたいとも思う、情報の渦の中にいるんだねえ…と改めて感じました。役に立つ物ばかりではないんだけど!最初のうちは森絵都らしさが薄いかなとも思いましたが、そんなことはありませんでした。大切な物にこだわって生きる大人達。子供よりも長い年月こだわり続けることもあるから奇妙に逸脱してしまうこともあるのですね。それでも新たな方向へ向かっていく勇気。この暖かさと強さ。痛む傷口を洗って風に当てて自然に乾かすような穏やかな視線。さすがです。

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 国内小説
感想投稿日 : 2009年9月24日
本棚登録日 : 2009年9月24日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする