ディロン―運命の犬 (幻冬舎文庫)

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レビュー : 11
著者 :
sanaさん 評論・エッセイ   未設定

ドラマ化もされて有名な実在の犬、ディロンの話です。
著者は動物ノンフィクションを多く手がける作家。
飼い主の太田恵理さんが書いたのではないので、やや距離がある筆致ですが、わかりやすく。

ディロンは犬のイベント施設で、日本に連れて来たオーストラリア人の訓練士ポールに躾けられていたが、ポールが怪我で帰国。
英語しか通じないために施設では粗相が続いてもてあまされ、叱られてばかりで、別な犬のように脅えてしまっていた。
そういう期間があったためか、不思議と人の心がわかるようになる。
1994年にディロンに出会い、数ヶ月での変わりように驚いてポールに電話して直談判し、引き取って世話をし、弱っていた身体を治す。さらにオーストラリアまで飛んで、正式に譲り受けた。
既に3頭の犬を飼い始めていた新築の大きな家。
大型犬を飼いたいという夢を実現させたのですね。

留守番が長いとあたりの物をボロボロに咬んでしまうディロン。
不安そうなので叱らずになだめてやると、以来イタズラは止まり、ずっと後をついて回るようになる。
他の犬とは馴染みにくいが、意外に新しい人と会うのは平気になっていく。

動物をふれあわせる運動AAA(アニマル・アシステッド・アクティビティ)に参加して、向いていることがわかる。
欧米ではAAT(アニマル・アシステッド・セラピー)という段階まで進んでいた。
優良家庭犬の認定試験という物もあり、共に試験を受けて合格する。
こういうのって案外人間の方が難しかったりするんですね。ディロンが優秀だからですが。
老人ホームやリハビリ中の人を訪ねたときに、犬を嫌っているそぶりの人に自分から近づき、心を溶かすエピソードは感動的。

保健所に持ち込まれて翌日には処分される犬の多さには胸が痛みます。
日本では子犬からしか買おうとしない人が多いけれど、実は成犬は意外に飼いやすい面もあるそうです。
引き取り手を探す運動を展開。
500頭も命を救ったとは!

レビュー投稿日
2011年2月4日
本棚登録日
2011年2月4日
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