子守唄 (創元推理文庫)

  • 東京創元社 (2015年6月28日発売)
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本棚登録 : 67
感想 : 8
4

スウェーデンの好評ミステリ。
ハンマルビー署、コニー・ショーベリ警視シリーズ、3作目。

ベッドで眠るような姿で発見された母と子ども達。
母親ケイトは結婚のためにフィリピンから来た女性だった。
夫とは別れ、女手で二人の子どもを育てていたのだが、それにしては高級なアパートだった。
別れた夫は気力をなくしたような目つきをしていて、かなり年上。
捜査を進めるショーベリらは意外な展開に驚愕することに‥

ショーベリは子沢山の平和な家庭を築いている穏やかな男。
だが最近、とある大きな迷いを抱えていた。
父親を早くなくし、母親は昔のことを語らず、自身も子供の頃の記憶がほとんどない。
それには、ある事情が‥

部下の女性刑事ペトラは1作目で自らが被害に遭い、そのことを公に告発はしないと決めたものの、完全には克服できないでいた。
同僚ハマドが事件に関わっていると疑いながら、確かめることはできずにいる。
冷たくされているハマドは、事情がわからずにいたが‥?

北欧のミステリとしては分厚すぎることもなく、比較的とっつきやすいのでは。
ショーベリの生い立ちが明らかになって母親と話し合えたのは良かったけど、何か考えさせられます。
大きな問題が起きてしまった後で、その重さを受け止めかね、人生が変わってしまう‥
事件の人間関係とも響き合う、切ない内容でした。

3部作で終わる予定だったのは、ショーベリの幼い頃の問題がここでいちおう解き明かされるからかな。
好評だったのと、ペトラの問題は書ききれずまだ続く!ので、延びたってことでしょうか。
8作で完結したそうです。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ミステリ(ヒーロー)
感想投稿日 : 2015年12月16日
読了日 : 2015年11月1日
本棚登録日 : 2015年10月14日

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