外国へでてみて、日本のことがはじめてわかった。これが、旅行というもののもつたいせつな効果のひとつである。旅行は、訪問さきの国ぐにについて、ゆたかな知識をあたえてくれるとともに、自分の国についての、あたらしい認識をもあたえてくれるものなのだ。(p.74)
ヨーロッパの人たちは、自分たちはつねに調査研究の主体であって、客体はつねにヨーロッパ以外の地域にすむ人たちであるとかんがえてきたのである。自分たち自身が調査研究の対象になるとは、夢にもおもっていなかったのだ。(中略)そのような、ヨーロッパに対するヨーロッパ人自身の態度が日本の学会にそのまま移植されて、今日にいたるまで、ヨーロッパ調査研究の対象になるという発想は、ついにうまれでることがなかったのであろう。(p,143)
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- 感想投稿日 : 2014年6月19日
- 読了日 : 2014年6月19日
- 本棚登録日 : 2014年6月19日
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