3000万語の格差 : 赤ちゃんの脳をつくる、親と保育者の話しかけ

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レビュー : 7
制作 : 掛札 逸美  高山 静子 
k-masahiro9さん  未設定  読み終わった 

 子どもの将来の学びの到達点を決める必須の要因は、初期の言葉環境でした。どれだけの量の言葉を、どのように親が子どもに話したか、です。親がたくさん話した家庭の子どもはそうではない家庭の子どもに比べ、学歴の高さや経済的な地位とは無関係によくできる。とても単純な結果でした。(p.38)

 関係があったのは言葉の量だけではありません。命令や禁止の言葉が、言語を習得する子どもの能力を抑えていることがわかったのです。「発達の足を大きく引っ張っていたのは、(子どもとのやりとりが)親の『ダメ』『ストップ』『それ、やめなさい』で始まった時だった。」(p.39)

 もしあなたがC、A、Tのそれぞれの音も、つなげた時の音も聞いたことがなかったら?こうした記号はあなたにとってどんな意味を持つでしょう?誰もが「cat」という単語を知っている国に住み、あなたも手話で動物の「cat」を表現できる、でも、目に入ったC-A-Tは意味をなしません。これが読むことを学ぶ時、耳の聞こえない子どもが取り組まなければならない大変な道のりです。手話言語の知識は助けになりません。手話言語は意味を示す動きからできていて、書き言葉の英語とは違うからです。(p.64)

 言葉の基本は、人間を他の人間と結びつけることです。赤ちゃんの脳は、この進化の産物です。赤ちゃんの脳は言葉を受け身で学ぶわけではなく、社会的な応答と相互のやりとりがある環境でのみ学んでいきます。毛する人と赤ちゃんの間で相互にするやりとりが、言葉を学ぶことと、学ぶこと全体の鍵です。(p.70)

 自分はもともと「頭が良い」と思っている人たちが何かでうまくいかないと、自分の頭が悪い、誰かが自分をワナにかけた、あるいは、そもそもこれは自分にとって大事なことではない、と諦めます。一方、グリッドを持つ人たちが何かでうまくいかないと、初めてしてみたことだから、またなんども試してみようと、より真剣に取り組んでみるまでは諦めません。努力しさえすれば、たいていのことはできると信じているからです。(p.97)

3つのT
Tune In, Talk more, Take turns(p.128)

 言葉を伸ばす時には、子どもがすでに知っている言葉を使い、それを積み木のようにして、いっそう精巧な文章にしていきます。動詞を加えたり、形容詞を加えたりする方法です。

 たとえば、「このアイス、おいしい」は、「このいちごアイスはとてもおいしいね。だけど、すごく冷たい!」になります。(p.142)

 子どもの知的な可能性に対してプラスの影響を与えることなど自分には何もできない、そう保護者が信じていたら、知的発達にとって必要な助けを子どもが受けられる可能性は低くなるでしょう。ここが一番の問題です。(p.193)

 日本には、言語環境の貧困問題を、解決に導く機関や人的資源もあります。日本には、母子・父子手帳、新生児訪問、4ヶ月検診という素晴らしい母子保健システムがあります。また、全国約7000箇所に、未就園の親子を支援する子育て支援センターが設置されています。また約2万8000箇所の保育園・こども園を0〜3歳の子どもと親の多くが利用しています。(p.254)

レビュー投稿日
2018年12月17日
読了日
2018年11月20日
本棚登録日
2018年11月20日
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