人質の朗読会

著者 :
  • 中央公論新社 (2011年2月1日発売)
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本棚登録 : 3520
感想 : 659
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反政府ゲリラの襲撃を受けて、人質となった8人。
結局助け出されなかった彼らの、後に渡された記録の中身。

時間を緊張以外で潰すための朗読会。
確かに考える時間、読む時間、聴く時間
すべてそこに集中する事ができます。
心穏やか(?)になれる瞬間です。
とはいえ、人質になった事がないので、そう思うだけ、ですが。

その人の記録、なので人質生活とは関係のない話。
そして何がどうして死ななければならなかったのか、という
説明も一切なし。
最初から最後まで思い出話で、最後にそれを盗聴していた人の
記憶がおまけについてくるだけ。

どれもこれも、少しずつ奇妙な不思議な話でした。
一番不思議だったのは公民館の話。
それほど紛れ込んでも分からないものなのか、というのもですが
その場の雰囲気に染まってしまうというか、なりきるというか。
小説家になったのは間違いではない選択だったかと。
コンソメスープもちょっと飲んでみたかったです。
そこまで手の込んだものとはつゆ知らず…。

ある意味短編集な感じもします。
まったく関係のない話で、日常にある話、なので。
最後だけ、全部読んでから、というのが付きますが。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: そう読まないかも人
感想投稿日 : 2013年8月19日
読了日 : 2013年6月19日
本棚登録日 : 2014年6月19日

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