ヴィヨンの妻 (新潮文庫)

3.66
  • (337)
  • (526)
  • (733)
  • (72)
  • (11)
本棚登録 : 4914
レビュー : 464
著者 :
あさこんさん  未設定  読み終わった 

太宰の短編集。
個人的に好きだったのが、「トカトントン」である。
なにかに必死になって取り組もうとすると、
どこからか、「トカトントン」と釘を打つような音が聞こえてきて、”情熱”とでもいうべきものをサッと引かせてしまう。

ふと、自分のやっていることを俯瞰してみると、情熱がさめることがある。第三者の視点に立ったときに、「私はなんでこれをやっているんだろう」という疑問が浮かぶことがある。
しかし、好きだからやっているのであり、楽しいからやっているのである。自分を離れて、冷静に見つめ直してみると、たしかに「なぜ、こんなことをやっているのだろう」と疑問に思うこともあると思う。

しかし、意味は自分自身が見出して、自分で勝ち付けていくものだと思う。ふと俯瞰してみたときには、意味がないように感じられるかもしれない。しかし、それでいいのだと思う。

ただし、自分が本当にやりたいことではないことをやっているときは、別である。その「本当にやりたいことなのか」どうかを何度も自分に問う必要があるのではないかと思う。

けれど、人間失格の葉蔵の考え方を持っている人に対して、それはどんな意味をもつのであろうか?

人間への不信をひたすら追求した太宰は、人間への信とは何かを私に考えさせてくれる。

レビュー投稿日
2019年9月23日
読了日
2019年9月23日
本棚登録日
2019年9月16日
1
ツイートする
このエントリーをはてなブックマークに追加

『ヴィヨンの妻 (新潮文庫)』のレビューをもっとみる

『ヴィヨンの妻 (新潮文庫)』のレビューへのコメント

まだコメントはありません。

コメントをする場合は、ログインしてください。

いいね!してくれた人

ツイートする