私が鳥のときは

  • 河出書房新社 (2023年12月1日発売)
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感想 : 39
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中三の夏休み、母が「さらってきちゃった」となんでもないように言ったその先に「さらわれてきちゃった」とあっけらかんとしてバナミさんは家にいた。
母と同じパート先だったバナミさんは余命宣告を受け、母と同じ和室で寝て過ごすという…。

受験生なのに…と蒼子は言ったが、母は何も変わらないよと。
そのうちに蒼子は学校で虐めにあって不登校で塾だけ通っていたという事実や塾で唯一話す友達のヒナちゃんは家庭内暴力をうけていることがわかるのだが、誰にも言えないのか周りも気づかないのか…

バナミさんにも夫と息子がいるのに蒼子の家に来た理由が、蒼子が息子と同じクラスだということで全てを知ってのことだったとは…。
蒼子のためなのか…
息子を改心させたかったのか…
自分の育てかたが間違ってたというバナミさんは、しっかりとした母の姿をしていたのではと思った。


この「私が鳥のときは」のバナミさんが中学1年生のときの物語が、2編目の「アイムアハッピー・フォーエバー」である。

こちらはテニス部に入ったバナミが、その活動に問題があるのでは…と部活動に参加せず近くにテニスコートがある家を見つけて借りてみることから始まる青春物語である。
読みながらこちらの方が長い…

バナミの部活以外の恋愛もしくは高校中退までの糸口になる話がわかるかなと思ったが…そこまではなかった。




読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 未設定
感想投稿日 : 2024年3月12日
読了日 : 2024年3月12日
本棚登録日 : 2024年3月12日

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