扇野藩シリーズ第4作品
5年前の「お狐火事」が原因で、扇野藩の財政は破綻寸前であった。
藩主・千賀谷右京大夫定家は、檜弥八郎を中老に登用して藩政改革にあたらせた。
弥八郎が断行した倹約政策は「黒縄地獄」と忌み嫌われ、挙げ句の果て、家老らの陰謀により切腹に追い込まれた。
「それがしの後を継ぐのは、あの者であろうか」と言葉を残して。
3年後、新藩主の側近となった、弥八郎の嫡男・慶之助は、独自の財政政策を練り、父を陥れた家老らに仇を討つ機会を狙っていた。
家老らは、慶之助の行動を恐れて、弥八郎の娘・那美を、軽格の親戚である矢吹主馬と夫婦にして、檜家を継ぐ様に画策した。
慶之助と主馬との軋轢。
慶之助の出自と、苦悩。
主馬と那美との夫婦愛、心の交流。
弥八郎が最後に残した、「あの者」とは、一体誰の事なのか。
読み応えのある一冊。
葉室麟さんの、新しい作品が読めないのは、寂しい限りだ。
読書状況:読み終わった
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- 感想投稿日 : 2021年9月11日
- 読了日 : 2021年9月11日
- 本棚登録日 : 2021年9月11日
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