メカ・サムライ・エンパイア 上 (ハヤカワ文庫SF)

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レビュー : 8
消息子さん サイエンス・フィクション   読み終わった 

 『ユナイテッド・ステイツ・オブ・ジャパン』の続編。続編といっても直接話が繋がるというのではなく、同じ世界設定のもとでの、数年後の別の話である。それにしてもこのあまりにキッチュなタイトル。
 第二次世界大戦で日独が勝った世界、アメリカは東側がナチスに支配され、西側が大日本帝国の領地となっており、日本合衆国(USJ)と呼ばれている。日本とナチスは一応は同盟国ながら、いまや世界を二分する敵対勢力であり、一触即発の様相を帯びている。さらにUSJではアメリカ人レジスタンスがナチスと手を組みつつテロ活動をしている。世界の主たる兵器はメカ。二足歩行の巨大ロボットである。そんな1994年。
 一人称で語られる主人公、不二本誠は軍人の両親を戦争で亡くし、養父母のもとでつらい生活を送ってきたが、メカ・パイロットとなることを夢見ている。でも学校の成績は悪く、すんなりと士官学校に行けそうもない。そこで実技でなんとか状況打開しようとするが……。
 天皇陛下のもと皇国が正義、ナチスが敵という世界観のもと、メカ・パイロットを目指す主人公の物語は巨大ロボット・アニメみたいなストーリーだ。ゲーム好きのだらしない高校生が皇国兵士として成長していく物語は、抑圧的な体制に疑問も抱かずに兵士として階級を上がっていくハインラインの『宇宙の戦士』を思い出す。
 士官学校に入学できなかった誠は民間のメカ警備会社に就職し、そこで厳しい訓練に耐えて、メカ・パイロットとなり、警備の仕事で、テロリストに力を貸すナチスのバイオメカとの戦闘に巻き込まれる。USJがバイオメカと事を構えるのはこれがはじめてで、その圧倒的な力に皇国メカはやられてしまうのだが、誠は警備会社の多足メカでもって将校を助けつつ、何とか生き延び、その功績でバークリー陸軍士官学校でメカパイロットをめざす道が開けるというところまでが上巻。
 バイオメカはメカの表皮に高い再生力を持った生体素材を用いたメカで、外皮は生物なので見た目は怪獣のようになるわけで、絵としてはカバーのようである。つまり、まるで『パシフィック・リム』。

レビュー投稿日
2018年7月30日
読了日
2018年7月30日
本棚登録日
2018年7月30日
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