答え合わせ(マガジンハウス新書)

  • マガジンハウス (2024年10月31日発売)
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本棚登録 : 217
感想 : 11
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テレビ離れが叫ばれて久しい時代、年々活況を増している特番がある。M1。最高におもしろい漫才師を決める大会という競技性に加え、局が盛り上げてたくさんの視聴者に届けるバラエティ要素もある。この二極性故に、漫才の採点結果には毎回賛否両論が沸き出てくる。この人達の方がもっと受けていたのに、とか。

正直それまでこういうのは審査員それぞれの個人差的なものだと思っていたのだが、芸人審査員はこんな目線を持って採点していて、その上での審査員差だったのかと驚かされた。芸人がおもしろいと思う芸人、漫才のシステムを解説してくれた事で、お笑いをより多面的に見られるようになった気がする。けれども、それで良かったのかなとも思う。

今まで表面だけ見ていて、ゲハゲハ笑っていた。なんと幸せな時代だったのだろう。この本を読んだ事で、これまでおもしろいと感じつつも漫然に感じていた違和感を、なんだベタか、とか、作っているなぁ、とか、はっきり意識の俎上に載せるような分析的な見方を知ってしまった。正に禁断の果実。漫才を丸裸にする恐ろしさがあった。芸人は教科書として読むべきだと思うし、お笑い好きライト層は読んだら拗らせる危険性があるなと思った本でした。やっぱチラリズムで留めとくのがいいんかもしれない。

最終決戦は22日。普通に、純粋に、ただのライト層として楽しみにしています!

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: 随筆、エッセイ
感想投稿日 : 2024年12月16日
読了日 : 2024年12月16日
本棚登録日 : 2024年12月16日

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