プロレスマニアの友人が熱く語るのだ。
「アメリカ相撲の聖地デトロイトでーー」「横綱がロボットに改造されてーー」「国技館の地下に眠る伝説の横綱が蘇ってーー」
正気とは思えない内容なれど、語る友人の熱に侵されたのか、聴いているうちに何かこみ上げるものを感じて、矢も盾もたまらず本屋のまんがコーナーへ。
ところが一軒目では見当たらず、二軒目でも上巻しかない。
ネットで上下巻まとめて注文しようかと思ったが、頭を冷やして考えてみると上記の内容で本当に面白いのか不安になってきたので、とりあえず上巻だけ買って下巻の購入は改めて考えるということにした。
ドトールでカフェオレを飲みながら本を開いて、驚いた。
まるっきり友人が語ったとおりのストーリーじゃないか。
(話半分に聞いていたのに。)
すごく真っ当な少年漫画だ。昔ながらのといってもいいかもしれない。
話の展開が速い。
絵の上手い漫画家、絵にこだわる人の漫画はあらゆることを絵で表現しようとするからどうしてもコマが増えてストーリーの展開が遅くなってしまう傾向がある。
本作の作者はあまり絵の上手い人ではないが、それがいい方向に出て、絵に注力しすぎず、結果として作者の個性がまんがにイイ感じで表現されているように思う。
どちらかというと絵の上手い人のまんがは、一般的な漫画読みの娯楽としてはつまらなくなりがちだから、これでいいんですよ。
いや、これがいいんですよ。
褒めてるのになぜ星3つなのかと訝る人もいるかと思うけど、本作は上下巻で完結で、上巻だけだとテンションが上ったところでブツッと終わってしまっているのでちょっと肩透かし的。
全体の評価は下巻を読んでからってことで。(下巻は早速ネットで注文しました。)
- 感想投稿日 : 2013年3月31日
- 読了日 : 2013年3月28日
- 本棚登録日 : 2013年3月31日
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