空ばかり見ていた (文春文庫 よ 28-1)

著者 :
  • 文藝春秋 (2009年1月9日発売)
3.64
  • (80)
  • (142)
  • (158)
  • (25)
  • (6)
本棚登録 : 1591
感想 : 150
4

ある理容師のお話。ホクトと名前は付いているが、それが果たして同一人物なのか…掴み所のない人物に人は心の内をそっと話してみたくなるのかもしれない。
以前から吉田さんの作品に不思議な感覚というか、表現できないような気持ちになっていたのだが、この本の中に次のような文章があり、この感じにちょっと似ている気がした。

──話を聞いているというより、声だけを聞いて、それに包まれている感覚というのか。声が私の中に入ってくるのではなく、わたしが声の中に入ってしまったような──。

読書状況:読み終わった 公開設定:公開
カテゴリ: ┣吉田篤弘
感想投稿日 : 2013年10月28日
読了日 : 2013年10月28日
本棚登録日 : 2013年10月5日

みんなの感想をみる

コメント 0件

ツイートする