うずく、まる (新鋭短歌シリーズ)

著者 :
  • 書肆侃侃房 (2015年6月16日発売)
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本棚登録 : 42
感想 : 11
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とても素敵な歌集です。与謝野晶子以来の衝撃を受けました。大地に根ざしていること、対称性、圧倒的な突破力。「銀の滴降る降る降るまわりに(シロカニべランランビシカン)ささやけば輝きながら凍りつく息」「うずく、まるわたしはあらゆるまるになる月の光の信号機前」「音だけの花火を聴いたぎんいろのテレビのむこうガザにつながる」。三つの力が溢れでています。旭川郊外での暮らし、物事を均衡に捉える眼差し、本質を直接的に発射する表現力。畏れ多いので返歌としてではなく、習作として師事を期待して「うずく、まる 渦に九つ丸をうつ ゴッホを模写した 十歳の夏」「うずく、まる 与謝野晶子を越えてくれ バスクで何もできない私」小学校高学年、中学生、高校生にぜひ読んでほしい歌集。「子供らが初めて触れる善き短歌かってに返歌大会しよう」

読書状況:未設定 公開設定:公開
カテゴリ: 和歌/短歌
感想投稿日 : 2016年3月8日
本棚登録日 : 2016年3月8日

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